シーケンス制御

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シーケンス制御とは

シーケンス制御とは、あらかじめ定められた動作、または一定の論理によって定められた順序に従って、制御の各段階を逐次 進めていく制御のことです。

制御回路

電気を使って機械設備や装置を自動的に動かすには、制御回路が必要になります。

制御回路(たとえば制御盤内の黄色い配線)は、入力装置・出力装置・論理素子(電磁リレー・トランジスタ・ICなどスイッチの機能を持つ素子)などを電気・電子回路で表現したもので、機械設備や装置に一連の動作を行わせます。

論理回路と論理素子

人間の思考の進め方や、その結論が正しいかどうかを決める方法に、一つの事柄を”YES”か”NO”で判断しながら、結論に導く方法があります。

リレーシーケンス制御では、接点が閉じている(ON)のか開いている(OFF)のかの2値信号の制御を基本としています。

論理回路は”YES・NO”を、接点の”閉・開”に対応させ、論理的な考え方をシーケンス制御に適用します

論理回路には、基本的にAND回路・OR回路・NOT回路などがあり、論理回路を構成する電磁リレー・トランジスタ・ダイオード・ICなどのスイッチング素子論理素子といいます。

論理素子とは「考える回路」です。
人が考えることを電気回路(YES/NO接点)に置き替えて、やらせています。(ITプログラミングみたいですね)

シーケンス制御の種類

有接点シーケンス

リレーシーケンスともいいます。
電磁リレーなどの有接点リレーを論理素子として利用し、制御する方式で、表現方法はシーケンス図が用いられます。

シーケンス図(リレー回路図)

無接点シーケンス

ロジックシーケンスとも呼ばれ、トランジスタやダイオード、IC(トランジスタやダイオードなどで構成された集積回路)などを論理素子として利用し、制御する方式で、表現方法は論理回路図が用いられる。

論理回路

PLC(Programmable Logic Controller)

専用のマイクロコンピュータを利用した制御装置のことです。
PLC本体に制御プログラムをパソコンや専用の入力装置で入力し、シーケンス制御を実行します。表現方法はラダー図が用いられます。

(実際に実機で配線しなくても、CPUの中に回路が仮想化されPGに置き替えられています)

シーケンス図の書き方

シーケンス制御動作順序を表現した制御回路シーケンス図といいます。

(0と1のデジタル進数(2進数) 全てのデジタル信号の基本がリレーのON/OFF)

縦書き電磁リレーシーケンス制御回路の基本的なルール

縦書きの場合の基本的なルール

  1. 制御電源母線は図の上下(上:制御電源R / 下:制御電源S)横線で示します。
  2. 制御機器などを結ぶ接続線は、上下の制御母線間に縦線で示す。
  3. 接続線は動作の順序に従い、左から右に書く。
  4. 制御機器は休止の状態で、電源を切り離した自然な状態で示す。

(シーケンスのボタンは、押すとONになるが、スイッチ自体は戻る)

シーケンス制御機器

押しボタンスイッチ(手動操作自動復帰型)

押しボタンスイッチとは、ボタンを押している時だけ接点が開/閉となり、手を離すとばねの力で元に戻る接点を持つスイッチです。

a接点

a接点の押しボタンスイッチの「ON動作」は、設備機器の始動信号としてよく用いられています。

ボタンを押している間は、可動接点と固定接点がくっつき、接続端子間は導通します。
尚、「導通」とは、「電気を通すこと」をいいます。

a接点(arbit contact アルバイトコンタクト)の押しボタンスイッチ

b接点

b接点の押しボタンスイッチは通常状態では、接点が閉じており接続端子間は導通します。
ボタンを押している間は、可動接点と固定接点が離れ、接続端子間は導通しません。

b接点(break contact ブレークコンタクト)の押しボタンスイッチ
a接点記号とb接点記号

電磁リレー(電磁継電器)relay

電磁リレー電磁コイル接点で構成されています。

電磁コイルに電流が流れると電磁石となり、その磁力によって可動鉄片を吸引し、それに連動して接点を開閉します

シーケンス図の読み方において大切なことは、コイルに電流が流れると、磁力によって a接点/b接点が開閉するというイメージを持つことです。

電磁接触器と電磁開閉器

電磁接触器

電磁接触器とは、電磁リレーと同じ動作原理で電磁石による可動鉄心の吸引を利用して、接点の開閉を行う機器です。

電磁リレーと違うところは、主接点(モーターのような大電流が必要な機器の接点として使用される)と、制御回路(小電流用の補助接点)を、どちらも有している点です。

具体的には、主接点はモーターなどの大電流のRST層で使用され、補助接点は表示灯としてランプなどで同時に使用されたりします。

電磁接触器の動作のしかた

電磁接触器の操作コイルに電流が流れると、可動鉄心が磁力で引き寄せられ、そのとき連動して 主接点と補助接点が同時に動き主接点・補助接点のa接点は閉じb接点は開きます

①電磁接触器とは

電磁接触器は、単に電気回路の開閉を行うもので、過負荷に対する保護はありません

まずコイル端子(A1・A2)に電流が流れると励磁され電磁石になります

それに伴い離れていた補助接点(a接点/b接点)が閉じるので、繋がっている器具(ランプなど)を点灯させることができます

それと同時に主接点(a/b)でR・S・T層 も閉じるので、負荷対象(モーターなど)の大きな接点も制御できます

②電磁開閉器とは

電磁接触器は、単に電気回路の開閉を行うもので過負荷に対する保護はありません。

過負荷保護のたサーマルリレー(熱動系過負荷継電器)と電磁接触器を組み合わせたものを電磁開閉器といいます。

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