はじめに
複線図は、実際の配線のシミュレーションのようなものです。個人的には、今回紹介する複線図の描き方が一番わかりやすいと思います。
ですが、この方法は筆記試験用なので、技能試験では少しやり方を変える必要があります。変化させると言っても、実技試験などで配線する時にペンの色と一致しない線を選択する必要があるくらいで、複線図の内容を理解できればアドリブでも対処できるのでまったく問題ありません。
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第二種電気工事士試験の過去問題は、「電気技術者試験センターHP」からも、ダウンロードが可能です。
https://www.shiken.or.jp/
技能試験の練習を行う受験者向けには、下記の「電気工事士技能試験練習材料セット」があります。
「購入商品」だけではなく、「レンタル」もできます。
試験が終われば練習材料はゴミ(廃材)として捨てられる上に、レンタルならそのゴミ(廃材)もまとめて「返却」でき、レンタル料も購入するより半額程で済みます。
近い将来、練習材料はレンタルするものとなるかも知れません。
用語説明
- 配線図:単線(一本の線)で描く配線図のこと。
- 複線図:複数の線を用いて、器具と電線の結び方を示したもの。
(電気の流れを意識しながら書き起こす) - 線条数:配線図の各部分の電線本数(心線数)
- 器具:スイッチ(点滅器)以外の部品のことをさす。
(引掛けシーリングやコンセントなど)
複線図(基礎編)
複線図を考える時は、フリクションなどの消せるペンで、色分けすると良いです。
(試験会場でも色ペンやラインペンは使用可能です)
複線図の描き方
- 必要な物すべて(「電源」・「器具」・「コンセント」等)を配置する
- それぞれの線を、ジョイントボックス内で結線する(役割ごとに電線の色を区別しながら)
線の接続箇所は、ジョイントボックス内でのみ接続可能です。
複線図基礎
電源
黒ペンと青ペンの2色を使う
- 黒ペン…黒線なので、黒色のペンで描く。
LineのL。非接地側。電源から電気を送る線。 - 青ペン…実際は絶対に白線を使用するが、ここでは青色で描く。
NeutralのN。接地側。使った電気を戻すための線。
コンセント
黒ペンと青ペンの2色を使う
- 黒ペン…電源から電気を貰うL側が必要。ここに器具を差すと、すぐに使用できる。
- 青ペン…電気を戻すためのN側が必要。実際は白線だが、青色ペンで表現する。
スイッチ
黒ペンと赤ペンの2色を使う
- 黒ペン…電源から電気を貰うために、Nが必要。
- 赤ペン…電源から貰った電気を、操作対象の器具に送る役割の線が必要なので赤ペンで表現する。操作対象には名前(イ、ロ、ハ)が付いている。
※注意※
ホタルスイッチがある場合、「ランプ内蔵」なので、スイッチとしてだけ書き起こす(黒色と赤色)。つまり個別にランプなどを意識する必要はない。
器具
赤色と青色の2色を使う
- 赤ペン…電気を使用したい時だけ、スイッチからON/OFFで操作対象に電気を貰うので、赤ペンで表現する。
(技能試験で実際に配線する時は、白線以外の残った線を使用する) - 青ペン…貰った電気は、電源に返すので青ペンが必要。
(実際は白線で配線する)
複線図(実践編)
このあと紹介する動画では、2019年度下期(令和元年度)の問題で解説されている
複線図実践①
メモ:
問題38
- 「最小電線本数(心線数)」では、複線図を描かなくても解ける
- アースが無いと2本、アースがあると3本になる
問題41
- 「リングスリーブの種類と最小個数の組み合わせ」では、過去問題すべてVVF1.6の出題なので、以下を覚えておく
- 使用するリングスリーブの種類は、~4本は「小」、5・6本は「中」
※第二種電気工事士試験では中まで覚えれば対応できる
※電線がすべて1.6㎜ではなく、2.0㎜が1本でも混ざっていた場合は、4本でも「中」となる
問題42
- 問題の注意書きに「特記のある場合を除きVVF工事である」ことと、問41の結果から、消去法で導ける
- 電源の位置がわからない時は、分電盤や制御盤の近い場所から電源を探る
(基本的に電源は、分電盤や制御盤の近い場所から持ってきている) - 「スイッチ」が内蔵されている器具は、黒色ペンと、青色ペンで描く
【関連する過去問:リングスリーブの種類と圧着マーク 令和3年度 下期(午前) 問19】
複線図実践②
メモ:
問題47
- 「圧着接続後の刻印の組み合せ」では、小のリングスリーブの場合1.6㎜電線を圧着する時は、以下で圧着する
- 接続箇所が複数ある場合は、間を結ぶ線以外は一旦書かないでおき、他の器具をまず配置してから、必要な間の線を引く
- 圧着の刻印は、2本接続は「〇」、3・4本までの接続は「小」となる
- 「スイッチ内蔵の器具」は、コンセントのように表記する …黒色ペンと、青色ペンで描く
おすすめの書籍
ちなみに第二種電気工事士の試験でおすすめの書籍はこちらです。
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